三十路独女楽しいひとり暮らし

都内の中小企業で働くアラサー女会社員の日記です。

学習性無力感を覚えた瀕死の犬です。

「〜〜世の中、勝ち組とか負け組とかいう言葉が流行っていますが、人生に勝ち負けはありません。〜〜」

とは父の詫び状の一節。上京して十数年、毎月のようにこういう辞世の句をハガキにのせて送り付けてきます。ほんといい迷惑です。「元気ですか?」ならいざ知らず、社会に問いたいこと、俺の倫理観、道徳心みたいなものを、すでに巣立って10年は優に過ぎた大人の女(いや、BBA)にどうして押し付けてくるかな? という思いと、この一文をみて、このひとわたしのこと内心「負け組」だと思ってんだな、というのがわかって胸のあたりがザワザワしました。そしてこの「負け」という言葉がなんだか頭から離れなくて、今さらだけど、酒井順子さんの代表作「負け犬の遠吠え」を読んでみました。装丁もなかなかいい感じだったのですね! 当時すごく流行った記憶はあるけれど、他人事だった。そして遠い未来の話だった、はず。刊行当時18歳だったわたしが、まさにこの世代になるとは……ね。

文章はうまいし面白い。でも甘い。あま〜〜〜い。というか、このひと、多分自分のこと負け犬界のトップだと思ってない? というか事実そうだよね。経歴みると、東京生まれで立教女学院からの立教って、ふつうに庶民からみたらお嬢様。で博報堂ですか。わたしなんて田舎の、それも陸の孤島といわれるエリアに生まれて、公立高校からのFランですけどなにか? しかもそのあとブラック中小企業を転々として、高卒の僕になってるんですけどなにか? 本当の負け犬ってこういうことをいうんですよー(棒読み)。 

いまもし、自分が望むキャリアと自分が望む結婚、どちらかが手に入るといわれたら、まっさきに前者を選ぶでしょうわたし。それほどわたしは仕事で一旗上げるのを人生の目標に掲げていた、気がする。でも気がつくとどんどん戻れない道にはまっていた。もうゲームオーバーでした。

雑誌編集者という仕事を見つけるまでもすごい紆余曲折を経たわけだけど。もともとアートディレクターになりたくて、でも美大出てないとどうやらなれないみたいと気づいて仕方なくほかに近い職種をさがしてこれだなと。それからは早稲田セミナーだマスコミ講座だ通って、新卒の就活でまわりの早慶上あたりのやつにフルボッコにされ、面接官にもバカにされ、筆記試験と面接に泣き、それでも100倍の倍率のなか編プロに内定。このときは本当嬉しくて、ここからわたしは夢の道を歩むのだなと興奮したよね。入ってみたらまさかのゴミ扱い。期待されていない、仕方なく採用したとのこと。しかも想像を絶する激務薄給。1日2時間睡眠。1年半でやむなく退職。退職してからの転職活動はやはり難航して、悩んだすえに「今度こそは大丈夫そう!」と思って入社したところが結局再びのブラック企業。しかも最初の会社と違って人間関係が最悪。このときはさすがに神保町8階のビルから飛び降り自殺しようかと思いました。痛そうだなと思ってやめたけど。口も聞いてくれない、悪口吹き込むモラ男上司で、しようがないから2ヶ月で退職。1年半、2ヶ月の職歴の若者をどの企業が受け入れますかって。つなぎのバイト生活もけなげに編集バイトを選んで職歴に穴をあけないように配慮し、現在の会社に契約社員で入社。「今度こそは大丈夫そう!」(2回目)と思ったものの、同僚となる女がめっちゃうざいしよく喋る。あ、なんかやばそうと思って、退職する前任に聞くとそいつのモラハラに疲れ切ってやめるとのこと。以降、そのモラモラハラハラに4年ほど耐えることに。そしてついにそいつが辞める日がきて、やっとわたしの時代? と思いきや、まったく知らないところから別のひとがきて、わたしの上司にするんだとさ。なんでそうなったかっていうと、そのモラ子の印象操作の所為。ちなみにこいつにも「ほかにいいひとがいないから仕方なく採用した」と言われましたっけ。

自分自身の華麗なる職業人生というのはざっとまあこんな感じ。

でもこんなことよりなによりきつかったのは、高校時代の親友Aが後追いで同業者になって自分より上(うえ)気取りになってることと、いまの会社の元同僚Kがいまをときめく雑誌の営業担当になったということ。

本当に信じられない、信じたくもない現実だった!

これだけ逆境に耐え抜いてきたわたしの100000000000分の1も苦労してないだろうに、しかもどっちもわたしより後に業界に入ってきたというのに。そして大して経験も能力もないのに。これほどまでに運の善し悪しで人生って決まるのかって呪ったよね。自分の人生より辛い人生ってあんのかなって。

たぶんね、ない。よく、人間には耐えられるレベルの苦行しか神は与えないっていうじゃん。でもさ、さすがにこれはなくない? うまく仕組みすぎじゃない? 身近で、よくもこうまあうまくプライドをえぐるようなの仕掛けたよね。元同僚Kとかほんとわたしがくっそ嫌いなミーハー女で、我が母校FランをしのぐFラン出身ですよ。わたしの地元からも近くて、でもそんなレベルの低い大学行ったって就職できねーだろうなって思って、わざわざ大枚はたいて東京の大学に出てきたのによ。なにがどうなったらそうなるの? 過去のMっぷりをみて「こいついけんじゃね?」って思われちゃったかな。たぶんね、素足で剣山いけるタイプと思われてる。ほんと早いとこ死んどきゃ良かった。

ここまで堕ちたなら、いっそとことん堕ちてみたい。

そこで出した結論は……風俗。山谷、吉原あたりで熟女ソープ、でどうでしょう!

 

ーーー酒井順子さんの読後のモヤモヤ、どこかで同じ気分になったなと思ったら、ジェーン・スーさんか。このひとも結局、新卒で大手レコードの偽負け犬だもんな。